1.ふるさと納税について
大阪市では“ふるさと寄附金”として27項目の寄附メニューをお示しし、寄附を募っていますが、メニューにより寄附件数に明らかに差が出ています。具体的なメニューほど多くの寄附が集まっています。大阪市はいわゆる返礼品競争に加わることなく、記念品として1万円以上の寄附を戴いた方全てに、市内の美術館や博物館など7か所のミュージアムに入場できる「大阪市立ミュージアム御招待証」を、又10万円以上の寄附を戴いた方には市長感謝状も贈呈しています。メニューによっては“大阪市商店街振興ふるさと寄附金”のように、オリジナル記念品(あきないグランプリ受賞店の商品やサービス)15点の中から1点選んで頂いたり、“大阪城の魅力向上”では記念メダルなどの記念品も送らせて頂いています。2025大阪関西万博が決定しましたので、“大阪関西万博を盛り上げよう!!”みたいなメニューがあっても良いのではと提案致しました。また、記念品についても複数回寄附して下さる方には来阪を誘うような、周遊パスやUSJ入場券なども検討してはどうかということも併せて申し上げました。
2.民泊にかかる固定資産税について
いわゆる「民泊」については、住宅宿泊事業法に規定される民泊を(新法民泊)と国家戦略特別区域法に規定される民泊(特区民泊)があります。(新法民泊)は、1年間で180日を超えないものという規定があり、住宅としての性質は失われないものとし、固定資産税の課税標準の特例措置に該当するものとされています。一方(特区民泊)は「居住の用に供している家屋」とは認められず、特例措置の対象外とされています。分譲マンションに於いて、知らぬ間に特区民泊が増え、居住割合が変化し、特例措置から外れ、結果固定資産税が6倍になったという事例も出ており、住民にとっては、何の関係もない“寝耳に水”の話であり、ひいては生活権、財産権の侵害でもあります。そもそも民泊申請の条件を決めるに当たりハードルを下げすぎた大阪市の責任もあると考えれば、納税者に対して激変緩和措置も考えるべきであるとの発言を致しました。
【住宅用地の特例率】
【住宅用地の率】
3.未利用地の活用について
市民の貴重な財産である未利用地については、真に不要な土地であるか否かをしっかりと見極め、不動産市況が盛んな折りに上手に売りぬくべきであります。一方、不要か不要でないかの判断が大変重要であり、中央区のように必要であった土地が判断ミスで売却されそのツケが地元の子ども達に回るという許しがたい事例があります。(元東商業高等学校の売却、狭隘な開平小学校における教室・運動場不足、挙句の果て土地はがしの為の南高等学校の統廃合)
芦池小学校跡地も、南幼稚園の園児の運動場として、又地域の防災拠点として重要であるにも係わらず、中長期的に処分すべき土地として、普通財産に区分されていることも現状を全く理解せず、無視していると言わざるを得ません。中央区は平成元年の東区と南区の合区により14校あった小学校が7校に統廃合されました。一方で、昼間人口は夜間人口の約5倍の50万人プラス、インバウンドの人口を考えると南海トラフ地震が30年の間に80%確率で発生すると言われている中で、避難所は明らかに不足しており、特に学校跡地については、慎重を期すべきであります。未利用地の活用にあたっては、契約管財局が中心となって総合調整を図って頂きたいと申し上げました。
4.地域活動協議会と地域振興会等との関係について
地域活動協議会(地活)が出来て6年、財源(会費収入ない)を持たない地活の活動の担い手はほとんどが、地域振興会(地振)の会員であります。尚かつ、会計を支えているのも同様に地振の会員であります。物心両面に亘り地域コミュニティの醸成の活動を支えているのが地域振興会及び関係団体であるにも係わらず、橋下前市長が地振等を既得権団体であるというレッテルを貼って以降、その存在を曖昧にしてきています。役所は実状に沿った認識に改めるべきです。一方で町会加入率の低下、後継者不足をどう解決するのかが喫緊の課題です。例えば区役所に転入届を提出する時に、チラシを転入者パックに入れるだけではなく、お住いの地域は「○○連合の△△町会」と口頭で伝えたり、地域の防犯灯の電気代は町会で負担していること(地域の安全に関する取組をしていること)を伝えたりして、転入されてきた方々が他人事ではなく、自分たちの課題とし捉えてもらえるように、区役所としてもっと取り組む必要があると提案致しました。
5.女性の活躍促進事業
企業、会社へのアプローチだけでは、現状に促していないうわっつらの取組で終わってしまう。0才~10才の子育中の女性が働きやすい環境を行政が積極的に作ることで働く女性の活躍は促進できる。例えば、待機児童解消の為の保育所増設だけでなく、看護師資格を有する保育士を配置することで、安心して子供を預けて働ける環境が作れるのではないかと申し上げました。
6.外国人材受入環境整備検討調査
昨年12月「出入国管理及び難民認定法」が改正され本年4月1日に新たに「特定技能」の在留資格が創設され、今後、相当数の外国人材の受入れが想定されます。今回リサーチ会社への調査委託費として、大阪市300万、大阪府300万、府がプロポーザルの窓口になるときいていますが、誰を対象として、何の調査をしようとしているのか。事業者を対象とした調査は、大阪市の施策に直接関わらないのではないか。府が主体的に調査をし、その調査結果を府域である大阪市に伝えれば良いのではないか。今後、外国人の数が増加し、コミュニティが形成される中で、地域との関わりをどのようにしていくのか。外国人を受け入れる地域コミュニティに対する支援も考えていくべきであると発言いたしました。
平成31年3月
大阪市会議員 有 本 純 子